このホームページでは予防歯科をシリーズでお話ししています。
口腔内細菌をいつも綺麗に取っていれば虫歯や歯周病の予防になるので、殊に今は高齢化社会ですので、この予防はとても大切です。しかしこの口腔内細菌は口の中だけでは無く、全身にも大きな病気の原因や誘因になるので最近はこれが大きな話題になり、注目されています。それで今までこのブログでも口の中の細菌や病気が「誤嚥性肺炎」や「糖尿病」などに大きな影響がある事を述べましたが、今回はこれが「心臓病」、「骨粗しょう症」などにも繋がっている事をお話しいたします。
先ず「心臓病」ですが、昔から口腔内細菌は「心臓弁膜症」に関係がある、と言われていました。細菌、又はその毒素が弁膜の機能不全に関係し、心臓弁膜症の原因の第二位は歯の方から来る、と学生時代に教わりました。それに加えて最近では口腔内細菌が全身の動脈硬化を引き起こす事も報告されています。と言う事は心臓に酸素、栄養を絶えず送り続けている冠状動脈が機能不全になるので、血管の内腔が狭くなって血流が少なくなる「狭心症」や、血管内腔がつまって完全に血流が止まる「心筋梗塞」の発症を起こすので、これは注意してもし過ぎる事はありません。
すなわち虫歯や歯周病を起こす細菌が、口の中だけでなく、心臓本体を直撃して心臓弁膜症になり、また心臓周囲の血管に病変を起こして心臓病をも引き起こすわけです。ですからこれは見過す事は出来ません。
次に骨粗しょう症との関連です。
ご承知の通り、骨は体を支えますし、カルシウムの貯蔵庫でもあります。また骨も代謝しており、数年で新しい骨に変わっています。人の骨の代謝は年齢と共に遅くなりますし、ホルモンとの関係で骨密度も変化します。また骨を作っているカルシウムは骨の中に蓄積し、その集積地でもあります。そこから全身に運ばれて筋肉を動かし、神経の伝達や各種のホルモン分泌に一役買っている重要な素材です。
ですから骨粗しょう症になると背骨や腰、ひざ等が痛むだけでなく、筋肉や神経の動きが遅くなり、ホルモン代謝にも影響します。
最近の研究では、この骨粗しょう症にも口腔内細菌が関与しているのが指摘されています。
ですから出来るだけこれを避けるために、バランスが取れた食事や適度な運動が求められますし、同時にブラシや歯間ブラシなどでいつも口の中をスッキリとしておいた方が宜しいと思います。
歯の病気を起こす細菌が、「心臓疾患」や「骨粗しょう症」などの全身にも影響しています。また「誤嚥性肺炎」や「糖尿病」にも絡んでいますので、高齢化社会の中では口腔内清掃がとても大切なのが一段と強調されても宜しいのではないかと思われます。
次回は歯科にまつわる全身疾患として「肥満」や「脳梗塞」も関係している事をお伝えします。
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成城学園前 予防歯科 鈴木歯科医院